数学を理解する 2017 12 17
書名 Software Design 12月号 ITエンジニアと数学
出版社 技術評論社
意外にも、ITエンジニアには「数学嫌い」の人がいるという。
多くの人は、コンピューターにかかわる仕事だから、
プログラマーは理科系だろうと思うでしょう。
しかし、プログラムは、
コンピューターに対する「仕事の手続きを書いた命令文」が、
箇条書きに書いてあるだけなので、文科系向きだと思います。
しかも、プログラムは、必ず更新作業が必要なので、
後から誰が見てもわかりやすい命令文を記述する必要があります。
そうなると、プログラミングは、
ますます文科系向きの仕事と言えるでしょう。
さて、プログラミングを使って、
苦手な数学を理解する方法があるのです。
高校の数学で学習する「Σ」(シグマ)が出てくると、
数学嫌いの人は、すぐに拒絶反応が出てしまうでしょう。
確かに「Σ」という大文字の上と下には、
まるで飾り文字のように数字や記号があり、
「Σ」の後ろにも記号があるように見えます。
一見すると、地球にやってきた宇宙人の落書きのようにも見えます。
このように「Σ」が「宇宙語」に見えてしまうのは、
数学者に問題があるのです。
基本的に、数学者というものは、
物事をシンプルに短縮して記述する傾向があるのです。
だからこそ、一般の人からは、
意味不明の「宇宙語」に見えてしまうのです。
たとえば、a[0]からa[100]まで順番に加えていくという作業を、
数学者は、「Σ」を使ってシンプルに表現します。
文章で書けば、みんなが理解できるのに、
わざわざ「Σ」という記号を使って表現するから、誰も理解できないのです。
当然、コンピューターも理解できません。
コンピューターは「石頭」なので、
数学者の「自慢」の表現など理解してくれません。
意外も、コンピューターと数学は、相性が悪いのです。
「Σ」を使った公式は、
石頭のコンピューターにも理解できるように、
わかりやすく命令文を書いてあげる必要があるのです。
最近、人気があるプログラミング言語である「Python」で記述すると、
以下のようになります。
answer = 0
for i in range(101):
answer += i
print(answer)
プログラミングにおいて、
「for文」とは、繰り返しを意味します。
ここでは、「Σ」という公式に対して、
「for文」という「繰り返し命令文」を使って、
配列をa[0]からa[100]まで順番に加えていくことを表現しています。
同じことをC言語で書くと、
以下のようになるでしょうか。
朝、眠い目で書いたので、もっと上手な書き方があるかもしれません。
#include <stdio.h>
int main()
{
int i;
int answer;
for (i = 1;i <= 100;i++){
answer += i;
}
printf("%d\n",answer);
return 0;
}